「モノトーン・ミュージアム」雑感 お伽噺のような、しかしそれでいてどこかダークな世界。 それが、「モノトーン・ミュージアム」。 |
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このゲームに触れたきっかけは、ついったーがきっかけで知り合った方が主催した女性限定のセッション会でした。本当にシステムも世界観も何も知らずに参加して、TRPG自体が10年ぶりくらいで、それこそ、このサイトで書いてたコンベンションレポとかキャンペーンレポとか以来、多分やってなかったはず…。 どうなることかと思ったけど、昔培ったカンは意外と生きてて、未知のシステム故の探り探りもありながら、意外と「これしかない」といういい動き方ができたと思う。思うのだけど。 セッションの後から、キャラクターにいろんな設定ができてしまって、結局、設定を詰めるためにはルールブックも必要で…(笑) ルールブックとリプレイを読んでて、まず最初に思ったのが。 「……中二だ……」 でした(笑) 便利な言葉ですねぇ、「中二」。ともかく、このゲーム、中二全開で遊ぶべきものなんだな、というのが率直な感想です(笑) ファンタジーなんだけど、SWなんかとは全然違う。SWは「非日常の中の日常」みたいなある種の現実世界に似たリアルさがあるんだけど…このゲームの場合は「非日常の中の非日常」と言うか。リアリティはとりあえず置いといて、自分なりの「美学」に突っ走っていいんだな、と(笑) 「相当品」ルールなんかにも、それは現れてると思います。武器・防具も様々に用意されているけど、リプレイなんかだと、「『金属鎧』相当の『鱗』」とかね…。 FEARのゲームってほとんど触れたことなかったけど…過去のコンベンションでのゲームだと、どうやら「パワープレイ・プログレス」がFEARですかね? 何か納得した(笑) ついったーの別のフォロワーさんにも、「FEARは中二」と言われたことを申し添えておきます。…どんだけ……(笑) で。 初めてプレイした時に何気に衝撃だったのが、シナリオの個々のハンドアウトの中でシナリオパートナーとして与えられるNPCが、容赦なく異形化したりラスボスだったりすることなんです。ああいう形で与えられるNPCが途中退場したりラスボスだったりだなんて、全く想定外だったよ…。そのことが最初から頭にあったら、あのNPCに歪んだ御標が出た時の対応がもうちょっと違っていたかもしれない。何か普通に、ぼーっと見送ってしまった感じだったから…。「えっ…そんなことあるんだ!?」みたいな…。後から考えるにつけ、たとえ結果は同じだったとしても、もうちょっと何かしてやりたかった…。 このゲーム、「御標」の効力が絶対であることをまず念頭に置いておいた方がよさそうな気がします。「御標」は絶対であり、例え歪んだものであっても逆らうことは許されない。それこそ、リプレイにあったような「どんな時も、未来永劫、幸せに満たされて暮らしました」=「どんな小さな不幸や悲しみも許されない」が理解できてないと、事の重大さが理解できないんじゃないかな。 正直、世界観的にもシステム的にも、TRPG初心者向けではないんじゃないかな?と思いました。 そう思った理由はもうひとつあって…。そういうダークな部分って、「なりきって演じる」タイプのプレイヤーにはきついんじゃないかと思うのです。キャラクターを「操る」タイプのプレイヤーなら、世界観にどっぷり浸ったセッションができそうなのですが。キャラクターを「演じる」か「演出する」かの違いとでも言いましょうか。後者のタイプで、キャラクターに「あれをさせよう」「これをさせよう」と考えるタイプの人なら、キャラがロストしても弾みで世界が崩壊しても、浸って遊べるんじゃないかなぁ…。 ちなみに私はどっちかというと前者のタイプ(「演じる」方)なので、そんなんなったら「うわああぁぁぁあ!!」ってなって引きずると思う…(笑) …でもこのゲーム、歪み表や歪曲表の効果にとんでもないものがあるのよね…。乱数で世界が崩壊するって何!! そういう表を振る選択をするからにはそういう結果も覚悟しなきゃいけないわけだけど…それにしたって、そんな表が用意されてるってことは、必ずしも、世界を救う方向にいかなくても許されるゲームなんだなぁ…。 あと、初めて遊んだ時に感じたのが、どうもパーティーとしての関係が希薄だなぁ、と。SWなんかだと、基本的には冒険者の店に集って、そこで仲間になって、って手順を踏むことが多い。相手も「冒険者」であることがわかってる。単発のシナリオであっても、今後キャラクター達は一緒に冒険を続けていく、って前提であることが多い。けどこのゲームの場合、PCたちは「たまたま居合わせた人」であることが多くて、目的も人それぞれ、になりやすいんじゃないかなぁ、と。そしてPCたち「紡ぎ手」が基本的には迫害される存在である以上、たとえPC同士であっても、相手が「紡ぎ手」をどう思っているかがわからないと、キャラクターとしてはなかなか動くに動けない気がします。プレイヤーとしては、そこをうまくすり合わせていかなきゃいけないわけですけども。 それと、予告とハンドアウトでストーリーとキャラ設定の方向性が与えられる分、キャラ作成の自由度が少し制限されるような印象でした。特に性格の面で。もうちょっとヤンキーっぽいキャラを想定してたのに…お人好しが前面に出ちゃったからなぁ…(笑) でもまぁ、同じキャラクターで2回遊ばせてもらって、久々に、ダイスのかみさまの絶妙なイタズラとか、他のPCやGMとの相乗効果とか、TRPGならではの醍醐味を満喫できました。 今度は、他のキャラを作ってやってみたいなー。 遊んだキャラクターのデータは、こんな感じです。別窓で開きます。 ターナー 2回目は、経験点で少し成長させました。取得している「特技」も、初回はいろいろ掴めないまま作っていただろうからと取り直しをさせてくれたので、少し変えてあります。設定も、いろいろと増えました(笑) クラウス・ターナー |
2013.06.15 |
「ビーストバインド・トリニティ」雑感 現実世界に潜む闇に生きる魔物たち。 人としての絆と、魔としてのエゴ。その狭間で揺れる彼らの物語。 |
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「モノトーン・ミュージアム」のセッションに参加させていただいた後、いろいろあってテストプレイに参加させていただいたのが最初です。テストプレイということで、ルールブックに載っているシナリオで、サンプルキャラで遊ばせてもらいました。 …「モノトーン・ミュージアム」で、とにかく「FEARは中二…」と植えつけられたもので(笑)、そのへんも意識しつつやってみたのですが…。 アレより更に中二だった(笑) 主な舞台が池袋なので、その点がやりやすかったりやりにくかったり。池袋にそんなに頻繁に行かないと、細かい地理がわからないから意外と距離感が掴めなくてねぇ。西口だと芸劇、東口だとサンシャインとアニメイトくらいしか知らぬ。 次回やる時は、東京の地図を持っていこう。と心に決めた瞬間でした。 サンプルキャラは、こんな感じにアレンジされました。別窓で開きます。 不二 樹/ヴァルト …名前の元ネタはね…ヴァンパイアなシングルを出した某ミュキャスなんだよ…。テニプリの乙女ゲーであとべさまを攻略する時に主人公の名前を字だけ変えて「加藤和希」にしたんだけどさ…そのまま使おうかとも思ったんだけどさ…それもあんまりかなぁ、と思って(笑) ただでさえ中二なゲームなんだから、名前くらいは…マトモにさ…。で、「藤」と「樹」だけ残って、「藤」を「不二」に変えて、こうなった。 次回はそれぞれキャラクターを自分で作って、オリジナルのシナリオでやろうということで、キャラ作成と世界観及びルール把握のためにルールブックとリプレイをお借りしたのです。 何と言うか、コレはアレですね、日常ファンタジーとでも言うかな、漫画やラノベの非人間キャラクター(人間なら、常人ではない、特殊な能力を持っている)が遊べるゲーム。バンパイアや狼男みたいなファンタジーによくあるモンスター、改造人間、鬼みたいな日本の妖怪や幽霊、都市伝説の化け物、漫画や小説のキャラクター、何でもアリ。 そのものズバリのデータがなくても、拡大解釈と相当品でかなりの再現度で作れるんじゃなかろうか。 基本的に魔物だから、正体を見られると驚かれたり逃げられたりすることもあるのだけど、とりあえず「これは、その……こ…っ…コスプレ!?」で誤魔化せると思ってる(笑) …池袋だし。 で。とりあえず、「幽遊白書」の妖狐蔵馬をモチーフに作ってみた(笑) 別窓で開きます。 小野総一/刀馬(とうま) 何がアレって、出自にちゃんと「人間など歯牙にもかけていなかったが、深手を負って人間に憑依した」なんてのがあるんだもんなぁ…。妖狐自体も、追加ルールで用意されたので、まんま蔵馬が作れそう…。植物を操るなんてのはないんだけど、そのへんはまぁ、効果の拡大解釈で演出的に植物を使ってるってことにしちゃえばいいんじゃないかな…。 「この作品のこのキャラがやりたい!」みたいなイメージがあると、キャラ作成しやすいと思う。全くオリジナルで作ろうとすると、却って難しいかも…。 でもやっぱり、戦闘が難しい。立ち回りもなんだけど、アーツをどう取るかで全然違ってきちゃう。戦闘でどう組み合わせていくかを考えて取らないとダメかなー。他のプレイヤーキャラとの兼ね合いも考えて。 あと、絆のエゴ化と罪の獲得が難しいと思う。どういう演出でエゴ化・罪の獲得をしていくかが、なかなか慣れないとその場の流れの中でパッとはできないんじゃないかしら…。今まで、そういうゲームやってこなかったからなぁ…。 で…セッションの後に、変に幽白熱が再燃して、全巻一気に読み返したりしちゃったわけですが…アレかな、ドミニオンのイメージって、魔界の扉編の「能力者」たちの能力に近いのかな。その人の性格だとかに合わせた能力で、その中ではそのルールが絶対で、それに反することはできない、ってのは、ドミニオンの性質にかなり近いんじゃなかろうか。 なんてことも真面目に(?)考えながら、結局、蔵馬にゴロンゴロンして終わったけど(笑) |
2013.06.24 |
FEARとは… |
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ファーイースト・アミューズメント・リサーチ、略して「F.E.A.R.」。昔から、名前は聞いていたけど、実際に作品に触れたことはほとんどありませんでした。どうやら、「パワープレイ・プログレス」がFEARだったっぽい…ってぐらい…。 今になって、不思議なご縁ができたねー。まだ2作品だけだけど。 どうも、どうやらここでは「SRS」という独自のシステムを作って、そのバリエーションとしてモノトーンやらBBTやらを発表しているらしい? ガープスみたいなもんか。 で、どうやら、「FEARは中二」と植えつけられた原因は、ここにあるのではないかと。このシステム、クラスとか大雑把な分類が決まると、そこで能力値が決定するのね。乱数じゃないんだ。モノトーンなら、最初に「賢者」「術者」「日陰者」を選んだキャラクターは、みんな同じ能力値になるんだよ。BBTなら、プライマリ・セカンダリ共に「ヴァンパイア/ドラクル」を選んだキャラクターは、みんな同じ能力値になる。後から好きなところに1点の補正があるにしても、だ。ほぼ同じ能力値のキャラクターが出来上がるんだよ。 SWだと、能力値自体が乱数で決まるから、それ自体が個性になるけど、このシステムだとそれがないんだなー。そうなると、設定(出自とか「紡ぎ手」になったきっかけとか「エゴ」とか)で差別化するしかないから、だから中二全開になるんじゃないかな、と。あと、「特技」や「アーツ」の取り方ね。 それに…モノトーンもBBTもだけど、かなり、効果の拡大解釈や相当品とかで無理が通るんだよ。言ったもん勝ちと言うか、データさえ変えなければ「この効果は、こういうことにしますから!」で通ってしまう。そういうところも、中二の要因だと思う(笑) あと、PCの立場もそうかな…。SWなんかだと、普通の人間なんだよね。普通の人間のうち、冒険者技能を持った者が「冒険者」となって冒険をする。けど…モノトーンの「紡ぎ手」は世界の理から外れた存在だし、BBTは半魔だし、「普通の人間」じゃないんだよ。 「普通の人間」じゃない、って時点で…もう立派な中二病ですわね…(笑) そんなだから、遠慮なく「ぼくのかんがえた、かっこいい○○」を作ればいいし、遠慮なく中二な発言や立ち回りをすればいいんだよ。…そして、それをやる時には、恥ずかしがってはダメだ…照れてはダメなのだ……。 …結局、中二病ってさ…楽しいんだよね……(笑) さて…折を見て、モノトーンのシナリオを1本作ってみたいのだが…うまくいくだろうか……。 |
2013.06.27 |