旅の思い出

別に「旅行記」なんてたいそうなモンではなく。
まあ、旅先で感じたことをいろいろ書いていこうかな、と。
旅行(特に海外)すると、人生観変わるよ。
…いや、マジで。

2000年2月(オーストリア&ハンガリー)
 「千●県書店まつり」なるキャンペーンのツアーで、格安で行ってきました。 初めての海外旅行です。行った場所は、オーストリアのウィーンとザルツブルグ、 ハンガリーのブダペスト。ちなみに、母との2人旅。…いや、ツアーで20人くらいいるんだけど(笑)
 実は私、高校生の頃にドイツ語を勉強しようとして挫折してまして、大学でも、 第二外国語でドイツ語を取ろうと思ってたのに英語の単位を落としたため(笑)あっさり挫折して、 結局ドイツ語の勉強なんてしないままだったのね…。こんないきなり旅行行くことになるなら、 少しでもやっておけばよかった…。

・初日
 朝10時くらいの飛行機で成田を発つ。ひひひ、ヒコーキなんて乗るの初めてで、かなりドキドキ。 離陸が怖かった…。浮く時って、ちゃんとわかるのね! 一瞬、ふわっと、地から足が離れた感触をちゃんと感じるの…。 何でこんなのが浮くんだーー(−"−;) で、何が怖かったって、浮いたと思ったら、急に2mぐらいガクン! とか下がってさぁ…。一瞬、落ちるのかと…(おいおい)。
 おやつとかジュースとか、たくさん出るのね。機内食も美味しかった。メニュー見たら、 何かのコンテストで賞をもらったとか何とか書いてあったっけ。で、一番ウケたのは、メニューに「そば」があったこと。 めんつゆの容器のフタには、「めんつゆ」の他に、英語で食べ方の説明が書いてありました…。曰く、「ヌードル用ソース」。 食べ方は、「1.ソースにワサビとネギを入れてかきまぜる」「2.麺をソースに浸けてから食べる」…大ウケ(笑)
 10時間以上かけて、特にトラブルもなく、ドイツ・フランクフルト空港に到着。ここから乗り換え。

  教訓その1:ルフトハンザの機内食はウマイ!

 EU諸国への入国審査は、最初に立ち入る国でやるそうで、ドイツで乗り換えする私たちは、 ドイツで入国審査を済ませてしまうのね。ここから先、EU加盟国内での移動には、パスポートはいらないそうな。 入国審査も実にあっさりしたもので、ちょっとパスポート見てはい、おしまい。 私のパスポートにはドイツの入国スタンプを押してもらったけど、母のには押してなかった。 「日本人はほとんどフリーパスで、スタンプも省略することが多いんですよ」と添乗員さん。そう言えば、 近くにいた黒人さんはいろいろ聞かれてたよなぁ…。私ら、誰一人として引き止められなかったよなぁ…。 …恐るべし、「日本国パスポート」。母は不満たらたらだったけど(笑) きっと、私のはまっさらだから、 押してもらえたんだよ。母のには既に中国とオーストラリアのスタンプが押してあるんだもん(笑)

  教訓その2:入国スタンプが欲しかったら、パスポートは新品のものを(笑)

 乗り換えまで時間が少しあったもので、母と2人でドイツの空港の中を探検。…うわー、周り、 ドイツ語だらけだよー(当たり前)。ちょっと買い物して、ドイツのお金を手に入れてみる。
 フランクフルトを発つと、1時間半くらいでオーストリア・ウィーン空港に到着。こんな短い旅程でも、 しっかり軽食はでるのね、ヒコーキ…。ちょっとびっくり。
 飛んでる途中に、昼の領域から夜の領域に入っていきました。ふと窓の外を見たら、「昼」と「夜」との境界線がくっきり!  またいでる途中はよくわからないんだけど、少し過ぎてから振り返って見てみると、実に見事に昼と夜が分かれてるんですよ。 何か…ぐろーばる。すっごい感激しました。あんなにはっきり見えるもんだとは、思ってなかった…。

 ウィーンに着く頃には、もう夜。あぁ、異国の地だぁ…。日本とは全然違う光景だぁ…。 ホントに来ちゃったんだなぁ…。と、妙な感慨に浸る。そして空港からバスでホテルへ。 …移動だけで1日が終わった…。とにかくひたすら眠かったです。それもそのはず。 日本時間で考えると、徹夜してるようなものだから。
 泊まったホテルは何と四つ星なんですよ。「シェーンブルン宮殿」の裏手にあるホテル。まぁ、バスタブの栓がなかったり、 なんてトラブルもあったけど(笑)、なかなかいいカンジのところで。…でも、やたら建て増ししたような継ぎはぎ(?) の跡が…微妙に気になるんですけど…(笑)

・2日目
 ウィーンで初めての朝。朝食は、パン(各種どっさり)、ハム(3種くらい)、スクランブルエッグ、ハッシュドポテト、 飲み物各種(コーヒー、紅茶いろいろ、ホットミルク、…)、ヨーグルト各種などのデザート、云々。 自由に取って食べていいのね。日によってちょっとした変化はあるけど、だいたい毎日こんな感じでした。 …私ら、物珍しさも手伝って、すっげーばくばく食ってたんですが…いくら何でも食いすぎだ、 と気付くのにはちょっと時間がかかりました(笑)

  教訓その3:食い過ぎはよくない。腹八分目。

 この日は、午前中はツアー客全員で市内観光。まずシェーンブルン宮殿行って、中を見学したわけですが…。 外国の宮殿って…スゴイよね…。地震大国の日本じゃ、とてもできないような豪華な装飾品やら調度品やら。 ここは庭もまた広くて、もはや「よくやるよねー…」しか言葉が出てこない(笑)
 この宮殿の中のとある部屋に、どこぞからすっごい高額で買い取った絵があるそうで、でもあまりに高価なもので、 2枚だけ本物を残して、後は金庫の中だそうな…。ガイドの人はどれが本物だか知ってるけど、絶対に教えてはいけないらしい。 ホンマかいな…。
 シェーンブルン宮殿の後は、バスに乗って、現地ガイドのおっちゃんの話聞きつつ市内巡り…眠かった(笑)  「名所」で降りて写真撮ったりはしましたが。「ヨハン・シュトラウスの像」とか(笑)

 午後はオプションツアーまたは自由行動。私らはこの日はオプションを申し込まなかったので、 2人でウィーン市内を歩き回る。実はこの時期、ウィーンではデモが多発してたんですよ。でも、全然見かけませんでしたねぇ。
 ひたすら歩き回ったんですよ。昼ご飯食べに行ったり、教会行ってみたり、おみやげ探しに行ったり、オペラ座(外だけ)見に行ったり、 本場のザッハトルテ食べに行ったり。ヒコーキの疲れが抜けきってないところにそんな激しく歩き回ったもんで、マジで疲れまして…。 しまいにゃ言葉がなくなる…。終始無言。おまけに、周りの言葉が全くわからないからねぇ…。ストレス倍増。

 ドイツ語が全くわからない、英語もかなり乏しい、という情けない語学力の中、心のオアシスだったのが、 伊●丹ウィーン支店(笑) オペラ座の裏手にあるんですよ。伊●丹。日本人観光客のおみやげ用ですね、あの店は。いや、 でもホント、マジで助かった。異国の地で日本語が通じるってのがこんなにありがたいもんだとは…。そこでふと思う。
…きっと、森から出てきたばかりのエルフって、こんなカンジ…。
 それはさて置き(笑)、ひたすら疲れてただけ、ってわけでもないんですよ。ウィーン市内を歩き回って、 その街並みを見て、やっぱり日本とは全然違う光景なわけじゃないですか。下は石畳だし、建物はほとんどが石造りだし。 そういう、いかにも「ヨーロッパ!」なのを見てたら…
きっと、RPGの街並みもこんなカンジね!!(感激)
 …それしかないんかぃ、自分…。

 で、帰りは当然、自力でホテルまで帰らなきゃならないわけですが…さて、地下鉄の駅に着いた。で…切符はどう買うの?  …こういうのって、十分に下調べしたつもりでも、実際直面すると意外とわからないもんなのよね…。まあ、 日本みたいな改札はないんで、無賃乗車しようと思えばできるんですが(笑)、見つかったらヤじゃないですか。罰金取られるし。 …いや、観光客だから「ドイツ語わかりません!」でゴマかせなくもないと思うけど(笑) でも、私は根っから、 キセルとか絶対できないタチなもんで…やっぱり切符は買いたいワケよ。そんなこんなで、通りすがりのお兄さんをつかまえて(母が)、 切符の買い方を教えてもらいました。当然、ドイツ語なんてできないんで、片言の英語で(笑)
 お店でもそうだけど…せめて英語だけでもできれば、だいぶ違うね…。観光地だから、英語はかなり通じるわけよ。 無理にドイツ語覚えようとしなくても。

  教訓その4:せめて英語は習得しておこう。

 ちなみに、この日の夕飯(?)は、ホテル・ザッハーの本家ザッハトルテ。美味しかった♪ 夕飯つーか…あまりにも疲れてて、 ザッハトルテ食べたらそれでもう十分、ってだけだったんだけど。ちなみに、砂糖抜きの生クリームを添えるのが一般的。 ザッハトルテの甘さが、全く甘くない生クリームでいいカンジに中和されます。超甘党の私でも、これは美味しいと思った。うん。 …いや、私、どのくらい甘党って、砂糖抜きの紅茶やコーヒーって、飲めないの…。

・3日目
 オプションツアーを申し込んだ人は、ハンガリー・ブダペストへ。バスで3時間程かかります…って、バスで外国に行けちゃうのね、 ヨーロッパ…。ハンガリーはEUには加盟してないので、移動にはパスポートが必要。国境を越える時、全員のパスポート集めて、 入国スタンプを押してもらいました。すっごい物々しい…。
 ガイドのおっちゃん曰く、彼はオーストリアのガイドだから、オーストリア国内ではあんちょこを見てはいけないそうな。 でも国境を越えれば余所の国だから、ガイドブック見ながらガイドしてもいいらしい…。そして、早速メモを取り出していた。 ガイドにそんな規則があるとは知らなんだ。

 ハンガリーは何気に温泉が多いそうで、全部で123個所ぐらいあるらしい。正確な数はわからないから、とりあえず覚えやすい 「123」ということにしてあるとか。…いいのか、それで(笑) …でも、後で合流したハンガリー人ガイドさんも、「123個所」 って言ってた…。どうやら、それでいいらしい。
 昼食を食べた場所は、要塞の中を改装したレストラン。要塞…外の壁に弾の跡がたくさん残ってるんですけど…(−−;)  このレストランの兄ちゃんが、何気に日本語ペラペラだった…。昔住んでたそうな。道理で。

 ハンガリーでは、またハンガリーの現地ガイドさんがいたんですが、ハンガリー人のこの女性がまたすごかった…。英語、 ドイツ語はもちろん、フランス語、イタリア語、ロシア語…と7カ国語ぐらいしゃべれる人で、日本語も、そりゃ多少怪しいとこもあるけど、 ほとんど問題なくしゃべれてて。全部独学で習得したって言うからスゴイ。「何故、日本語を?」の問いに対して、 「ヨーロッパの言葉、みんな考え方同じ。もうつまらない。全く違うものをやってみたかった」…恐れ入りました。 「キンベンなドリョクです」とか言われちゃったヨ…(^^;) 添乗員として日本に行ったこともあるそうな。たいしたもんだ…。

  教訓その5:がんばれば7カ国語くらいイケるよ…。(おいおい)

 ハンガリーでは、レースみたいな織物が名産だそうで、「日本語通じます」のお土産屋さんみたいなとこでとりあえず買い物。 そして観光地にいると必ずと言っていいほど寄ってくる、謎の物売りの女性たち。 みんながみんなそうだとは思いたくないけど…財布やパスポートをスられるから気をつけろ、と言われた。うーん…そういう人達なのかー。
 見てて面白かったのが、「漁夫の砦」の近くにある、某王様の像。王冠のてっぺんの十字架が曲がってるの。何でかと思ったら、 昔、馬で走ってて王冠を落とした時に曲がったそうな…。敵から逃げてる時って言ってたような…。おいおい…。

 ハンガリーは、ウィーンに比べると全体的に古めかしいと言うか、カビ臭い(by母)と言うか、ホントに、 昔のものを昔のまま残してある、って感じ。ウィーンは、古いものを残しつつ、新しいものをどんどん取り入れてる感じがしたんだけど。 ハンガリー人ガイドさん曰く、「この国の政治家、古いもの大切。未来見ようとしない。この国、いつもどこか曲がってます」 …曲がった王冠のことを受けて言ってるんだけど…気の利いたこと言ってくれるじゃないですか…。

 帰り、オーストリアへの入国の時、ガイドのおっちゃんが「日本人のツアーだ」とか何とか言ったら、 入国審査のためにパスポート集めに来た兄ちゃんが「オゥ、ヤーパン(日本)! OK!」…パスポートなんぞ見もせずに去ってしまいました。 …いいのか、それで…。

  教訓その6:日本人はフリーパス!

・4日目
 オプションツアーを申し込んだ人は、ザルツブルグへ。これもまた…3時間くらいかかるんですよ、ウィーンから…。 途中、ドライブインみたいなとこでトイレ休憩。こういうとこでお土産売ってるのは、どこの国でも同じらしい。 そしたら…見つけてしまったのよ…。すっごい愛嬌のある、ムカデのぬいぐるみ!!(は?)  いろんなサイズがあったんだけど、一番長いのは3mくらい(以上かも…)あって、でも高いの…。1000シリング以上するの…。 (1シリング=約8円) 一番小さいのは、節4つ(=足8本)。それで120シリングくらい。一番長いの欲しかったんだけど、 まだザルツブルグ行く途中だし、どうやって帰りの荷物に詰めるんだろう…というのもあって、結局買わなかったのよ。この時は。 かなり後ろ髪引かれた…。ああぁ〜〜、ムカデ〜〜〜。。。
 途中のバスの中で、ガイドのおっちゃんが「『ノイ・シュヴァン・シュタイン』城というのは『新しい白鳥の城』という意味ですが、 これを日本人が発音すると韻を踏みたくなるのか、『ノイン・シュヴァイン・シュタイン』となるんですね。でもこれでは『9匹の豚城』 という意味になってしまいます」…「ノイ・シュヴァン・シュタイン」ってのは、東京ネズミ王国のシンデレラ城のモデルになった、 と言われる城ですな。…9匹のブタ…。

 それはさて置き、ザルツブルグ。「ザルツ」と言うのは、「塩」のこと。そしてここは、モーツァルトが生まれ育った場所。 ここの見所は、モーツァルトの生家、モーツァルトが暮らした家、そして、サウンド・オブ・ミュージックの撮影に使われた噴水のある、 ミラベル宮殿。行ったのは、ミラベル宮殿とモーツァルト生家だけですが。他にも、時間さえあれば行ってみたい場所はいくつもあって。
 一緒に行った人の中に、1人、マスクをしてた人がいたんですよ。そしたら、すれ違う現地人たちが、みんながみんなクスクス笑っている。 何がそんなにおかしいのかと思ったら、ガイドのおっちゃん曰く、マスクというのは、死に近づいた人がするそうな…。 それで笑ってたのね…。日本以上に空気が乾燥してるくせに、カゼの予防にマスクをする、という意識はないらしい。…だから流行るのよ。 インフルエンザが。

  教訓その7:マスクは死にそうになったらする(笑)

 モーツァルト生家を見て、ちょっと街中を歩きまわった後、ちょっとだけ自由行動。モーツァルト生家の通りは商店街みたいになっていて、 いろんな店が建ち並んでいるんですよ。看板見てると、店の内容が一発でわかっておもしろい。靴屋には靴の、傘屋には傘の、 そういう看板に混じって、黄色いMの看板…。ま、まさか、マ●ド●ルド!? …いやあ、実に見事に景色に溶け込んでて、 最初わかんなかったよ…。「マック=赤」ってイメージあるけど、ここのマックは街並に合わせた外観でした。…おもしれぇ…。
 そして、モーツァルト生家の隣には、楽器屋さん。入ってみたかったけど、入ると出てこられなくなりそうだから(笑)、遠慮。 もっと時間のある時ならね、じっくり見たいかも。

 そして、帰りのドライブイン。ま、またしても…あのキュートなムカデがっ!  でも、こっちには3mの巨大なのはなかったの…。1.5mくらい。そして結局、120シリングの足8本のムカデ(一番小さいやつ) をお買い上げ。あぁー、もしここに3mムカデがいたなら…買ってたかも(笑)

  教訓その8:欲しい物はその場で買っとけ!

 そしてウィーンに帰り、この日の夕食は、中華料理。あぁー、久々の箸での食事だーー。こってりした西洋料理ばかりだったから、 中華料理ってすっごくありがたかった…。

・5日目
 帰国の途。朝、ウィーンを発ちました。またドイツで乗り換え。
 帰りの飛行機では、窓から星を見てました。オリオン座がすっごい低い…。ロシア上空とか飛ぶから、かなり星の見え方も違うんだろうなぁ、 とは思ったけど…緯度が高かったせいか、それとも高度のせいか、目線(=地平線すれすれ)の高さにオリオン座ってのはなかなか新鮮だった。

・6日目
 朝8時頃、成田着。…これで「6日間」って、ちょっと騙された気分(笑)
 何はともあれ、無事に到着。ゆっくり休もう…と思ったのに、いきなり、「休みます」と言っておいたハズのバイトに呼ばれた…(笑)  人がいないから、って…。
 そして数日後、しっかり体調を崩したのでした…。

・収穫
 ドイツ語全く知らない状態で行って、とりあえず「押す(Druecken)」「引く(Ziehen)」 「入口(Eingang)」「出口(Ausgang)」「レジ(Kasse)」は覚えてきました(笑)  そして、自分の不甲斐なさが情けなくなり、4月からドイツ語の勉強を始めましたとさ。 いくらかでもドイツ語ができるようになったら、もう一度行きたい。ウィーン。ザルツブルグ。


2000年9月(ベルギー)


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