また、死にかける夢を見た。最初に見たのとは違う。とてつもない力を持った強大な敵に、大勢の味方と共に立ち向かい、それでもかなり消耗させられていた。 そして、避けきれずに食らった一撃で…俺は、意識を手放した。彼の悲痛な顔が、ずいぶんと印象的だった。 すぐに意識を回復したものの、あれほど言い様のない恐怖を感じたことは、ない。 そしてその夜。 「好きだ」 突然言われた言葉。男からの告白に驚いたが、確かに喜んでいる自分もそこにいた。そして、気付いたのだ。自分も、ずっと前からこの男を好きだったということに。 そして…俺は、彼と結ばれたのだ。 彼が、死にかける夢を見た。最初に見た夢とは違う。強大な力を持った恐ろしい敵に、大勢の味方と共に立ち向かい、それでも勝機はなかなか見えなかった。 そして…だいぶ消耗していた彼が、集中攻撃を避けきれず…倒れ伏した。その瞬間、頭が真っ白になった。 すぐに意識を回復したようだが、あれほど強いショックを受けたことはない。 そして、その夜。 「好きだ」 正直な気持ちだった。彼を失いかけたその瞬間、彼への思いに気付いたのだ。同性であるとか、そんなことは問題ではない。とにかく、共に在りたかった。 そして…俺と彼とは、結ばれた。 熱い吐息と、荒い呼吸。うわごとのような、互いの囁き声。 夜の闇に溶けてしまいそうな快楽の中で、交わした、睦言……。 「愛している」 「俺も…愛してるよ…」 「カミュー…!」 「マイクロトフ……っ!!」 がばっと跳ね起きた。カミュー? マイクロトフ? 誰のことだ? 俺のことか? では、今ここにいる俺は何者だ? カミューとは、何者だ?? マイクロトフとは?? 思考がまとまらない。混乱の中、ふと、布団の中に入り込んで一緒に寝ていたフミが目に入った。まさか…… 「おまえ、ユーライア…か?」 「にゃぁ〜〜」 懐くように、腕にまとわりついてきた。 「そうか…おまえ、ずっと教えてくれていたんだな…俺があれほど愛した存在が、すぐそこにいると……」 抱き上げて、口付けてやった。 「おまえは本当に、最高のレディだよ」 俺は、全てを思い出していた。 飛び起きた。マイクロトフ…? それが俺の名か…? それでは、今ここにいる俺は? それに、カミュー? 誰のことだ? 一体、何者なんだ…?? 頭の整理がつかない。ふと、枕元で丸くなっているユキに目が行った。まさか…… 「ダンスニー…か?」 「みゃ〜〜」 勢い良く腕の中に飛び込んできた。 「おまえ…もしかして、ずっと教えてくれていたのか…。俺が全てをかけて愛した存在がすぐ側にいると……」 頭を撫で、頬擦りをしてやった。 「おまえは、本当に…最高の相棒だ…」 俺は、全てを思い出した。 |
とうとう、はっきりと互いの名前を呼びましたね。やっと、名前を…そして全てを、思い出したのです。途中で切ろうかどうしようか、散々悩んだのですが…つなげてしまいました。 ちなみに、「強大な敵」とは勿論、ルカのこと(笑) この馴れ初めはやっぱり、私の基本設定なのです。 |