巡る時:その7

急いで、いつもの公園へと走った。いつもの通りなら、彼もこの夢を見たはずだ。彼も…思い出してくれただろうか?
公園の中を見渡すと、やはりきょろきょろと何かを探しているようだった彼と目が合った。
「…また、夢を?」
俺の問いかけに、神妙な面持ちで頷く彼。はやる気持ちを押さえ、言葉を次いだ。
「夢の中で点私は死にかけました」
「俺は…それを見て、あることに気付いたんです」
ああ、やはり………。嬉しさのあまりこみあげる涙を、必死で堪えた。
「それは、俺も同じだよ」
彼が、はっとしてこちらを見つめてきた。あの頃と少しも変わらない、深い、真摯な瞳…。

いつもの公園へと急いだ。いつもの通りなら、彼も同じ夢を見たはずだ。もっとも、彼もあの頃を思い出したという保証はないが…。
しばらく公園の中を見渡していると、息を切らせてこちらを見つめる彼と目が合った。
「…また、夢を?」
彼の言葉に、頷いた。心臓の鼓動が早い。何と言ったらいいのだろう。考えあぐねていると、彼が口を開いた。
「夢の中で…私は死にかけました」
やはり…同じ夢を見たのだ。緊張したまま、口を開いた。
「俺は…それを見て、あることに気付いたんです」
「それは、俺も同じだよ」
突然変わった口調と一人称に、はっとした。見つめた彼の目は潤んでいて今にも泣き出しそうではあったが、あの頃と同じ、たおやかでいて凛とした瞳。



「久しぶり、『マイクロトフ』
「ああ…久しぶりだな、『カミュー』…。本当に、久しぶりだ……」

そして、2人はきつく抱き締め合った。それまでの空白を埋めるように、いつまでも離れようとはしなかった。



余談。
それから、2人は同居を始めた。もちろん、二匹の猫も一緒に。
程なくして、黒猫は何匹かの子猫を産んだ。
白猫の飼い主はいつの間にかそんなことになっていた飼い猫に赤面し、黒猫の飼い主は子を成すことのできる猫たちに多少の嫉妬を覚えたようだが、まあ、幸せに暮らしたようである。

ふぅ、終わった……。
こういう書き方をしてしまったもんで、だいぶ細切れになってしまったような気がしますが…まあ、いいだろう。(おい)
…こういう書き方って、スゴイ楽……。

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